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有川浩さん「明日の子供たち」を読み終える




有川浩さんの「明日の子供たち」を読み終える。


これぞまさに一気読み、という感じで、それないの分厚さの単行本でしたが、引き込まれて一日で読んでしまいました。


有川さんの大ファンである私。


ほぼ全ての作品を読んでおります。


今回は児童養護施設がテーマ。


プロボクサーが出身者であったり、有名プロスポーツ選手が訪問した際にたまに話題になりますよね。


テーマは真面目で重たいものです。


とても勉強になります。


でも、いつものように、笑いあり、涙あり、甘酸っぱさあり。


言葉のやりとりが軽妙で、かつ面白い。


さすが、有川さん!と叫びたくなる小説でした。


自分の涙腺はやはり緩かった。。


一時期、児童養護施設についてのドラマが世間をにぎわせたことがありました。


ある意味、外からは見えにくく、一般人は日常関わることもないことから、何となくイメージだけが進行してしまいがちです。


正直、私も一面的なイメージを持ってしまっておりました。


入所している子供たちに対し、どのように感じるのかは、個々人に委ねられるのでしょうが、施設に入所している子供たちへの「かわいそう」との一般的なイメージについては、小説の冒頭から叩きのめされます。


「私たちは、かわいそう、と言ってもらいたくない」「施設に入って、何ていいところだろうと思いました」の言葉は衝撃的でした。


様々な考えがあってよいのであって、皆が皆、同じ考えでいる必要はない。


ただ、何も知ろうとせず、関心も持たず、十把一絡げに「かわいそう」とだけ思うのは、無知のなせるわざで、悲しいことだと思いました。


この小説に描かれていることが全ての施設に当てはまるとは思いませんが、入念な取材に裏打ちされている素晴らしい本だと思います。


自分の置かれている「いま」を正面から受け止め、将来を真剣に考えながら生きている子供たち。


大人は夢や希望を与える存在でなければならないな。
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by suyama4168 | 2014-08-30 15:03 | 読書日記 | Comments(0)

神戸の旧居留地で弁護士事務所(かがやき法律事務所)を経営。トレイルランニングもしますが、最近は山や河川敷などをゆっくり走ってます。ウルトラマラソン100km6回完走、トレイルランニングUTMB、UTMF完走。


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