私は周囲に優秀な人が多いので、
「この人は仕事ができる!」「信頼できる!」と内心で唸っていることが多いのですが、皆さんはどうでしょう。
別に一緒に仕事をしたことがなくても、「この人はおそらく仕事も出来るんだろうな」と思う人が身近にいる方も多いのではないでしょうか。
1 ちょっとした気づき、相手へのおもてなしが当たり前に自然と出来る
抜きんでている方は、相手のニーズをそつなく察知して、さりげなく対処していきます。
どのような飲み会でも自然と気配りが出来る人に通ずるものがありますかね。
こういう方は、相手に信頼や驚きと深い感謝の気持ちが生じさせることができます。
ビジネスパーソンとして、この能力があると間違いなく抜きんでることが出来ます。
私の弁護士という仕事を翻って考えてみますと、ビジネスパーソンとは言いにくいところはありますが、求められることは同じです。
驚くほど相手の心の奥にある「真の悩み」を察知する力に長けています。
的確な質問を投げかけ、依頼者が本当に求めていることに迫っていくことができます。
依頼者の満足度は高まり、何かあったらまたお願いしようということになりますし、誰かを紹介しようという気になるのです。
また、裁判官の心証を察知する能力も優れており、準備書面も独りよがりなものではなく、裁判官の視点に立って作成することができることでしょう。
裁判所からの信頼も確実に得られています。
「だから、別にお土産を要求しているわけではないのです。冒頭の質問で、本に書いてあることを実践できる人とそうでない人の違いは何かと聞かれたので、できなかった皆さんとできる人の違いを説明しようとしたのです。 これって、何かスキルや能力の違いではないですよね。ちょっとした気づき、相手へのおもてなしの心。それだけの差なんですよ。皆さんのように優秀な若手でも、できない人が多いんですよね」(79頁)
2 相手の期待を大幅に上回ることが出来る
期待されている仕事を手堅く、ソツなくこなすのは当たり前の話。
締め切りより少し早めに出すとか、指示されていないことを自発的に調べて報告書に添えてみるとか、期待より多少上回る仕事をする人は、それより多少評価されると思います。
しかし、期待を大幅に上回るというのは、なかなか出来ることではありません。
私も、一緒に仕事をご一緒した方の中に、想像も出来ないような仕事をしていただいた経験があります。
当時、本当の仕事とはこういうものなのかと心が震えたものです。
おそらく、その経験は弁護士人生の中で一生忘れることは無いでしょうし、これから先も折に触れて思い出すことになると思います。
何か困ったことがあったら、どんなことがあっても助けに行くことになろうかと思います。
「その他大勢」から抜きんでて、相手の印象に深く刺さっていくためには、相手の常識を超えていく仕事を提供していくことが大事なのです。
いつもいつも期待を大幅に上回ることはもちろん出来ません。
しかし、普段の心がけとして、あわよくば相手の期待を大幅に上回ってやろう、サプライズを与えようという意識を持って仕事をしていなければ、実現することは不可能なのです。
よって、このようなことが出来る方というのは、普段から相当意識を高く持っているということになります。
「やる以上は、相手の期待を大幅に上回らないと意味ないんですよね。昔、こういう上司がいました。僕の結婚が決まり、『ご祝儀、友人は皆3万円と言ってくれますが、Uさんは10万円くれますよね』とふざけておねだりしていたのです。『そんなにやるか』とUさんもふざけて応えていました。 それが当日、封筒を開けてみてびっくり。なんと20万円も入っていたのです。後日、恐縮してお礼を伝えに行くと、彼が言うのです。『岩瀬、覚えておけ。こういうのはやる以上、相手が驚くくらいに、期待を上回らなくちゃ意味ないんだ』。彼の言っていることは正しくて、多分そのまま10万円じゃ、こうやって、僕が語り草にしていないと思うんですよね。もちろん、とっても親しい間柄だったし、彼としてはとびっきりのお祝いをしてあげたいという気持ちはあったと思う。でも、ここまで奮発してくれたからこそ、僕は一生、この話を人にすると思うんです。だから、相手に何かをしてあげるといは、その期待値を大幅に超える何かでないと意味がないのです」(80頁~81頁)
3 即断、即決、即実行
その場で出来ることはどんどん片付けていきます。
決断や手間を先送りしません。
即断、即決、即実行。
ビジネス、プライベートを問わず一貫しています。
頼んだ側の立場からすると、相手がすぐに対応してくれるというのは非常に印象が良いですよね。
決断を早くする、行動を早くしておくと、締切直前になって慌てるということもありません。
軌道修正する時間も十分にありますので、最終的な成果は非常に良いものになります。
また、早く対応するということは、相手に時間的精神的に余裕を与えてあげることに繋がります。
「すぐやる、その場でやる。簡単なことだけど、意外と、できる人は少ない。でもやった方がいい。仕事は片付くし、それだけで印象がアップするから。」(86頁)
引用は全て岩瀬大輔著「
直感を信じる力: 人生のレールは自分で描こう」より。
ちなみに、この本は、若手ビジネスマンのバイブル。