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「長野県警レスキュー最前線」を読み終えて、心構えを新たにする。



書店に行くと、「山」コーナーに行くことも多い私。



少し前にコミックの「岳」を全巻制覇したばかりだったのですが、帯に『「岳」のモデルとなった山岳遭難救助隊隊員たちの救助に賭ける熱い思い』とあると、購入せずにはいられなかったです。



本書には、約40人もの長野県警の山岳遭難救助隊員たち(現役・OB)の方々が隊員を志したきっかけ、訓練の過酷さ、初めての遭難救助、思い出に残る救助活動、涸沢常駐隊日誌、遭難救助ヘリの実際を語った手記が収められています。



遭難救助は民間と県警の連携で行われている、ということは知っていましたが、民間の方々がどれだけ貢献されているのか、実力が高いのか、ということもよく知ることが出来ました。






ところで、山小屋のブログを読んだり、登山友人の話を聞いていると、最低限の知識、装備、準備もせず、自己の体力を過信して、無謀な登山計画を立て、安易に遭難救助を要請するという事態が増えているというと聞きます。



この本を読んでも、余りあからさまには書けないのでしょうが、理不尽で身勝手な救助要請が増えていることが随所に出てきます。



「登山は自己責任で行うもの。基本的には自分たちで対処する」という登山の大原則、登山の本来あるべき姿が変化しつつあるそうです。



季節感の無い登山者、経験・体力の過信、結束が弱いパーティ、単独登山の増加等々、なるほどと思いながら読み進めました。



特に印象に残ったのは、ヘリによる遭難救助は、素人には簡単そうに見えても、実はとても危険を伴うこと、そして長野県警のヘリの場合、25時間飛行するごとに約1日、100時間目の点検で約1週間、600時間目には2か月近い点検期間を要し、トータルすると、年間約3か月も整備期間が必要で、その間は遭難事故が起きても県警ヘリでの対応ができなくこと。

県警は、過去の統計をもとに、登山の最盛期に点検が入らないよう計画をたててヘリを運行をしているそうですが、安易な救助要請が頻発すると、点検時期がずれてしまい、肝心な時期に飛行できないという事態が発生してしまう、遭難時期が特定されている場合には短時間で救助が完了するが、道迷いなどで行方不明になった人を捜索する場合、あっという間に数時間を費やしてしまう。。。



やむにやまれぬ事態に陥った場合、救助を要請することをためらってはいけないのでしょうが、まずはそういった事態にならないよう、最善の準備をして山に入らなければならないということと、折角来たのだからと予定を強行せず、潔く変更するおおらかさが必要だと思いました。





by suyama4168 | 2016-06-02 08:56 | 読書の備忘録 | Comments(0)

神戸・三宮の旧居留地で弁護士事務所(かがやき法律事務所)を経営。誰でも気軽に相談できる町の法律相談所を目指している。離婚問題、相続・遺産分割問題、借金問題が特に得意。趣味はゆっくり走ること。ウルトラマラソン100km完走、トレイルランニングUTMB、UTMF完走。


by suyama4168