6月最後の週末、今年もサロマ湖ウルトラ100kmマラソンを走ってきました。
昨年は、前々日入りして、知床クルーズなどしましたが、今年は仕事も忙しく、金曜も遅くまで仕事。
ということで、今年は走って帰るだけ!
大会前日の土曜日の晩、飛行機の延着に悩まされながら、女満別空港に到着。
→ 昨年の出場記
今回はあいにくの雨予報。
サロマンブルーは見られないやろな~と思いつつ、レンタカーにて網走へ。
網走到着後、晩御飯難民。
意外と居酒屋、寿司屋以外に、ごはんをどっさり食べる店が見当たらない。
サロマ湖100kmウルトラマラソンは、スタート会場(サロマ湖の西)とゴール会場(サロマ湖の東)が別の場所にあり、スタート会場とゴール会場間の移動は、シャトルバスで約1時間かかります。
なので、公式ツアーを使わない場合、宿をスタート会場近くにとるか、ゴール会場近くに取るかは思案のしどころ。
ゴール会場近く(網走など)に宿を取ると、朝早起きしてゴール会場まで行き、シャトルバスに乗ってスタート会場まで移動しなければなりません。
スタート会場近くに宿泊すれば、朝少しだけゆっくり寝られることになります。でも1時間かけてスタート会場まで戻らなければならず、ゴール後すぐに車が無いので荷物を置いておけないし、疲れた身体で移動するのはしんどい。
ということで、今年も昨年同様、網走に宿を取り、ゴール会場からシャトルバスでスタート会場に行くことを選択しました。
ゴール会場の、シャトルバスの発車時刻は午前3時!!(スタートが朝5時なので。)
少し余裕を見て、宿を2時過ぎに出るとすると、朝1時過ぎには起きなければなりません。
前の晩は大変~~
普段はレースの前日も普通に飲んで寝るのですが、今回は一人だし、誰も起こしてくれないし、今回はシラフで就寝です。
シラフで寝るなんて、年に数回で慣れておらず、結局ほとんど寝られず。。
↓ いつのまにか翌朝1時になってしまっており、急いで準備をして、レンタカーを運転してゴール会場へ。
シャトルバスにも無事乗れました。
さすが伝統の大会。
駐車場の誘導、シャトルバスへの導線、順番のめぐり合わせで補助席にならないような配慮など、細部まで運営がこなれていて素晴らしい。
今年もバスの中で、朝食を大量に食べる予定でしたが、朝早すぎて、今年は喉を通らず。
スタート会場に到着し、昨年の教訓(スタートに遅れかけた)もあって、早々とトイレの行列に並びました。
→ 昨年の出場記
陸連登録者(今年から登録者のみになりました)は、3か所(30km、63.5km、80km)にスペシャルドリンクを置くことができます。
倒れてもこぼれない高さ20cm以内の容器に入れておけば、何を入れても構いません。
昨年は、30kmと80kmにスペシャルを置いたのですが、今年は3か所全てに置くことにしました。
中身はいずれもエナジージェル、アミノ酸粉末、レッドブル。
トイレの行列がなかなか進まず、1時間前にスタート会場に着いたのに、あっという間にスタート時間が迫ってきて、少々慌てました。
ただ、スタート場所がすぐそこなので、ギリギリでも大丈夫。
スタートの少し前に、残念ながら、小雨が降ってきました。
気温も低いうえ、雨に濡れるととても寒い。。
ドキドキする暇もなく、ランナーの列に入って、1分でスタート。
「位置について」、のあと、巻き舌の「オンユアマーク」でどよめき。
今年もウォーミングアップもストレッチも無し!
私の場合、最初の1、2kmをゆっくり走ってそれがウォーミングアップなのです。
スタート直後は、周囲に沢山人がいますので、まずは、自分のペースを作ること。
最初から身体が重く、違和感を感じながらのスタート。
ちなみに、ブルーのゼッケンは、100kmを10回以上完走した方だけが付けられる尊敬を集めるゼッケンです。
意外に沢山いらっしゃいます。
↓ 路肩を走る箇所が数多くあります。
車両の通行をほとんど規制しませんので、横を車が追い抜いていきます。
↓ 今年も42.195km地点にサブ4で到着。
昨年より3分ほど早かったようですが、この時点で身体に異変が近づいてきていました。
昨年は、まだまだ余裕があったのですが、今年は胃が重い。。
↓ 42.195km直後の様子。やっぱりキツそう。
45kmを過ぎたくらいで、突如胃の変調がやってくる。
いわゆる「戻しそう」。。。
寒かったからか、普段以上の頻度で前半に取った賞味期限切れのジェルが失敗だったか。。。
これが来てしまうと、走れる状態ではなくなります。
給水所は、水とアミノバイタルのスポーツドリンクが基本なのですが、アミノバイタルの匂いがもう気持ち悪くて無理。寒くて水も飲む気になれない。
それでも、だましだまし走り、50km地点で、4時間42分。
昨年同様、サブ10(10時間切り)を達成するのに、18分の貯金がありましたが、既に結構歩いていましたので、この貯金はすぐに無くなるやろなと思いながら、進んでいました。
預けていた荷物を受け取ることが出来る54.5km地点のレストステーションは写真も無し。。。
今年はここで15分くらいは休憩してしまったかもしれません。
タオルで体を拭き、靴下を履きかえ、シャツを替える。今年は雨なので、雨ざらしの外は寒すぎますので、テントへ。テントが小さくて、人口密度が高く、少々難儀しました。
一度着替えて出発しかけたのですが、ずっと座ったため、身体が冷えて、ガタガタ震え、出る勇気が持てず、再度テントに逆戻り。
そこへ、救急車が到着し、救護所へ。
それを見て、自分もこのまま行ったら低体温症にならないか?と真剣にDNF(途中棄権)が頭をよぎりました。
ここのレストステーションは、出発してすぐに急こう配の坂なので、なおさら出ていくには気力が必要です。
でも結局、「言うても行くやろ?」と自分に問いかけ、やめる選択肢は無いんやと思い直し、足を引きずりながらエイドを出ました。
ちょうど出たところで、ネット上のラン仲間から声を掛けられ、頑張りましょうと言われたのも大きかったかな。
ずっと胃が気持ち悪いままで、何も口から入らなかったのですが、60km付近のエイドから、ドリンクに麦茶も出てくるようになりました。
事前のパンフレットでは、水とスポーツドリンクしか書いてなかったのですが、変更されたのでしょうか。
私には、麦茶が出てきたのが大きく、胃が気持ち悪くても麦茶だけは飲めたのです。
4杯も5杯もおかわりをして高校生のボランティアの女の子に笑われましたが、こちらは必死です。
麦茶で幾分胃が落ち着いてきて、63.5kmのスペシャルドリンクエイドに入りました。
エイドに置いてあるバナナもウメボシもレモンも、ほか固形物は全部ダメで、手元にあるジェルを食べるなんて考えるだけで戻しそう。。
ただ、(普段は絶対に取らないのですが)そのときは何故か飴なら行けるかも、と思いつき、スタッフの方にことわって10個ほどポケットに入れさせてもらい、無くなったら次のエイドで貰うというのを繰り返しながら、常時2個を口の中に入れて走るようにしました。
両頬に大きな飴を入れて走っており、まさにリス状態でしたが、、、
しかし、飴で復活出来るものなんですね~~
飴って偉大。
糖分が補給され、脳がレースをやめなさいと指令を出すのを止めた感じ。
自分でもレースを止めたいとか、止めなければならないかもしれない、という弱気な気持ちがなくなり、とにかく最後まで行ってやる、とにかく一歩ずつ前へ、次の1km!というポジティブな感情が湧いてくるようになりました。
↓ 64kmくらいから始まる「魔女の森」が見える。
↓ ここら辺りから、ほぼ歩きは無くなりました。
キロ6分~6分30秒をキープしつつ(自分としては、完走狙いに切り替えてますので、無理してスピードを上げず、ただ歩かないと自分の中で決めて)進みます。
↓ 有名な私設エイドさん。67,68km地点あたりだったでしょうか。
去年は冷たいおしぼりとお水が嬉しかったのですが、今年は暖かいおしぼりと熱いお茶が用意されていました。
皆、寒くて震えていますので、この温かいおもてなしがどれだけ嬉しく、力になったことか。
本当にありがとうございました。
↓ 70km付近から、50kmの部の選手と合流し、ともにゴールを目指すことになります。
歩道を走ることが多くなり、走りやすくなります。
この辺りになってくると、周りの選手も気力で走っていることが伝わってきます。
皆、自分と戦っています。
同志。。。
止める気はないのだけれど、苦しいのは苦しいし、痛いものは痛い。
早く楽になりたい。
自分も、とにかく、次の1km、看板に着いたら、また次の1kmと何度も頭で繰り返しながら、進んでいきました。
↓ そして、ようやく見えてきたワッカの入り口エイド。80km。スペシャルドリンクがおけるエイドです。
スペシャルには、残り20kmを走るためのジェルを入れていましたが、飴以外はどう考えても無理なので、持って走るのも重たいし(普通では考えられないですが、現場ではそういう気持ちになっている)泣く泣く諦めました。
ジェル1個300円×3個。。
↓ せっかくのミストシャワーですが、ずっとシャワーを浴びて走ってきており、、、、、
↓ そしてとうとうお待ちかねのワッカへ入る~~。
数時間前の苦しみを思い出して、うぉっしゃ~、オレはやっぱりメンタル強かったんや、とそのときは思っていたかな。
でも、今年のワッカは天候のせいで、正直残念だったな。
サロマンブルーならぬサロマングレーなうえ、冷たい風と雨を遮るものがない。。。。。
ワッカに入ると景色が単調で、進んでいる感じが得られず、アップダウンも結構ありますので、周囲にも歩く選手が増えてきます。
周囲が歩くと、つられて歩きたくなるんですよね~。不思議なことに。
走れるのに、ちょっとした坂で歩いてしまう。
けれども、私はたまたまその時は歩かないで頑張る気力が残っていましたので、ゆっくり走っていても、どんどん選手を抜いていくことができました。
ワッカに入る80kmの時点で登録男子で272位だったのが、フィニッシュ時に252位。登録女子、未登録男女を合わせると、この20kmで7、80人は抜かしているかもしれません。
↓ ワッカの西端の折り返しに到着。橋が出来ていました。強烈な坂です。
折り返してしばらく行くと、90km地点がやってきます。
90kmまで来ると、辛いですが先が見えてきます。
相変わらずアメを2個ずっと口に入れながら頑張り続けました。
↓ ワッカが終わるところが残り3km。あとは舗装路を行くだけです。
とにかく、ゆっくりでも歩かず、最後まで辿りつきました。
あぁ、感慨深い。
このゴールゲート手前が一番好き。
結局、10時間46分でゴール。
昨年より、およそ1時間遅いタイムですが、そもそも気象条件等のコンディションが違いますし、達成感は昨年と同じ。
でも昨年は、チームのTくんが満面の笑みで迎えてくれたのが、今年は一人でゴールということもあり、寂し。
しかし、10時間を狙い、胃がやられ、目標を11時間に下方修正し、それを遂行できたこと。
胃がやられてからリカバリーできた自分に大きな自信が備わりました。
ゴール後は、雨降りなうえに、身体が冷えて、とにかく寒いので、早々と着替え。
1000円分のチケットとドリンク引換券が貰えますので、出店で引き換えて帰路につきました。
本当は、少しレース後の余韻を楽しみ、知り合いを探したりしたかったのですが、食事が出来るテントもいっぱいで、雨も降っており、今年は仕方がない。
ホテルに帰ってきて、シャワーを浴びたあと、お待ちかねの居酒屋ひとり完走お祝い会。
ホテルの方に地元のものが食べられるお勧めの店、と相談したところ、喜八という店を紹介されました。
サロマを走ってきたというと、お店のお兄さんもすごく良くしてくださって、ウニなどサービスして下さり、周囲の普通の旅行者とも打ち解けて、とてもいいお酒になりました。
そして翌朝は、、、、
なんじゃこりゃぁ、というくらいの晴天。
帰りは午後便のため、早起きして周囲の観光。
手始めに、オホーツク流氷館 天都山展望台 に行ってみると、
そこには絶景が広がっていました。
まだ時間があったので、昨年ガスの中だった美幌峠に再チャレンジ。
今年は屈斜路湖がキレイに見られました。
美幌峠は、大学時代に初めて来て以来、思い出深くて、ずっと大好きな場所なんです。
今年は、計測用のランナーズチップを返却する必要がありませんでした。
チップを貰ったのは初めてです。
写真が入っていて、結構これもうれしいです。
この日記を書きながら、ボランティアの方々、警備の方々が、じっとしている分きっと余計に辛いだろうに、冷たい風と雨の中、一生懸命がんばれーと応援して下さっていたのを思い出しました。
そういえば、水かぶり担当の高校生の女の子などは、選手の誰も寒くて水などかぶりませんので、ただひしゃくを持ってずっと立っているだけだったはずです。
選手は自分が好きで走っているだけですが、役場の人、町の人、施設の人や中高生の皆さんが総出で迎えてくださっているということに今年も感動しました。
本当にありがとうございました。
また、機会があれば、来年も走ってみたいです!