せっかく何度も家庭裁判所に出向き、調停で養育費の合意をしたにも関わらず、
相手方から養育費が支払われない場合、相手に連絡しても無視されると、
そのままあきらめてしまわれる方が沢山いらっしゃいます。
しかし、養育費の支払いは、親子である以上扶養義務を負う親の義務であり、
お子さんのためにもきちんと相手に支払わせる必要があります。
養育費について、単なる口約束ではなく、調停調書等の債務名義がある場合には、
相手方の給与、退職金の差押をすることを検討しましょう。
給与差押がされた場合又は弁護士から給与差押の予告がされた場合、
数十万円、数百万円の未払いの養育費が一括で支払われたり、
養育費の支払いが再開されることも多いのが実情です。
ただ、給与差押は、相手方の就労先にいきなり裁判所から差押決定が届きますので、
相手方の職場での立場に影響すること(事実上の不利益が生じること)が予想されますので、
専門家と相談しながら慎重に行うことが大切です。
給与差押は、支払期限が到来した未払いの養育費と併せて
支払期限の到来していない将来分の養育費についても、一括して申立てをすることが可能です。
(したがって、支払期限が到来している未払いの養育費について差押えをする際、
併せて将来分の養育費についても差押えの申立てをしておけば、毎月の支払期限が到来する度に、
差押えの申立てをする必要はないので、手続としては1回で済みます)。
もっとも、将来分の養育費については、
その養育費の支払期限後に支払われる給料からしか取り立てることができません。
つまり、例えば、毎月の給料の支払日が15日、養育費の支払期限がその月の末日の場合、
10月31日が支払期限の養育費は、11月15日に支払われる給料から取り立てることができますが、
10月15日に支払われる給料からは取り立てることができません。